フロンティア・ベンチャー・コミュニティ(FVC)は、福島沿岸12市町村での起業を考えている方を対象に、ミートアップ(説明会・交流会)・現地視察ツアーを開催しています。

ミートアップでは福島の現状や課題に関する発表、福島の先駆的な起業家や事業の話をお聞きいただけるほか、起業家や起業に関心のある方々・支援したい方々とつながれる交流会にもご参加いただけます。本ページでは、9/29(土)-30(日)に実施する現地視察ツアー@南相馬市に先駆け8/28(火)に東京で行われた第1回ミートアップの様子を紹介いたします。熱気あふれる雰囲気の中、南相馬市のキーパーソンの方々がご登壇され、23名の方にご参加頂きました!

当日の様子

開会挨拶・FVC紹介

開会挨拶として、FVC賛同人・RCF代表理事の藤沢烈より、フロンティア・ベンチャー・コミュニティについての紹介がありました。

福島沿岸部での起業・就業に向けて、ミートアップ・現地視察ツアーというオフラインイベントの開催や、HP・Facebookコミュニティページなどオンラインからの情報発信の他、クラウドファンディング会社CAMPFIREや行政機関と連携して創業支援を行なうコミュニティであることを説明しました。     

ピッチプレゼンテーション『ネクストコモンズラボ南相馬プロジェクト』

続いて南相馬で活動する4名のキーマンに、ピッチプレゼンをしていただきました。

トップバッターは小高ワーカーズベースの和田さん。南相馬市の現状及び小高ワーカーズベースとネクストコモンズラボ(以下NCL)南相馬の取り組みについてお話しいただきました。

南相馬市小高地区は福島第一原子力発電所から半径20km圏内に位置し、平成28年まで全住民強制避難区域だった地域です。避難指示解除後も期間率は35%程度にとどまり、かつての賑わいは戻っていません。そうした中で『100の課題から100のビジネスを生み出す』ことを理念として、小高ワーカーズベースを創業され、コワーキングスペースや飲食店の経営を始められました。

和田さん「事業は回っているが、このモデルを真似してくれる人があまり増えないことが課題でした。そこで、まちづくりに協力してくれる人を募るため、地域おこし協力隊制度の利用を市役所とともに検討し、NCLの活用を決めました。南相馬では”予測不能な未来を楽しもう”というコンセプトに共感してくれる方々にぜひ仲間になっていただきたいと思っています。」

続いて、福島イノベーションコースト機構の掛川さんがご登壇。福島浜通り地区の新しいプロジェクトに関して、ご説明いただきました。

「福島イノベーションコースト機構の重点分野の取り組みがつながり、産業集積を進めることで、浜通り地区の交流人口を増やし、この地区を活性化させていきたい。」と思いを語られました。

続いて、NCL南相馬チーフコーディネーターの一関さんよりプロジェクトが求める人物像のご紹介。

「南相馬で特に不足しているのは、生活環境に関する事業。飲食店、販売店、医療・介護等、日常生活を支える事業が求められています。この分野では市役所との連携が不可欠ですが、南相馬は官民合同で事業を展開するという意識が醸成されつつあるので、活動しやすい」と参加を呼びかけました。

最後にあすびと福島の半谷さんより、ご自身及び事業の経緯と現在人材募集中のプロジェクトについてご説明をいただきました。

ソーラーアグリパークは、『課題から価値を創出する』を理念に、高校生から社会人まで幅広い層が社会課題の解決方法を学ぶ場として、企業研修やインターン事業を運営しています。

「南相馬は20年後の日本各地の課題を先取りしています。この課題を解決する事業を考えることは、今後の日本の課題を考えること」と、その意義を語ります。「市役所やコーディネーターのサポートを受けながら社会課題を解決するための事業をつくれば、そのモデルはやがて全国へと広がっていくはずです」

パネルディスカッション『なりわいからの起業~新しいコミュニティで起業家が手にする未来とは』

パネルディスカッションでは、ETIC. 代表の宮城さん、Next Commons Lab ファウンダー林さんがご登壇。和田さんがモデレーターを務め『なりわいからの起業~新しいコミュニティで起業家が手にする未来とは』をテーマに語り合いました。

パネラーおふたりの事業紹介からはじまります。

宮城さん「大学卒業後から取り組みを始めて、今年で25年目。90年代はITベンチャーに取り組んでいました。今はソーシャルビジネスを中心として、社会の課題解決をする人を支える仕事をしています。東北でも震災後、和田さんの小高ワーカーズベースなどに、東京で働いている方を右腕として送り込み、経験を積んだ彼らがやがて起業したりする。そういうチャレンジを応援しています。」

全国10カ所で地域おこし協力隊制度を活用したNext Commons Lab という仕組みを展開し、地域へのコミュニティづくりを続ける林さん。「その地域の未来像に共感できることを大事にしています。多種多様なバックグラウンドを持つ人が、同じビジョン、共感を持って集まり、新しい経済圏、新しい社会の形を作っていくという事をコンセプトにして活動を続けています。」

地域に入って起業するとはどのような事か、モデレーター和田さんがテーマを深堀していきます。

和田「どのような人が地方に入って、どのように起業しているのでしょうか。また、そのあり方には何か変化がありますか。」

宮城「この20年での変化はすごいです。石巻に『謎ベン(=謎のベンチャー)』と呼ばれている存在があります。起業家として例を挙げると、ある方はファッションデザイナーをしながら日中は農業、夜はバーで働くなど、どの手段で生きてるか一見すると分からない人が増えている。道なき道を行くというか、全然セオリー通りの起業ではなく、収入をいろんなとこから得ている。

林「今、起業家の定義が変わり始めていると思います。NCLメンバーはそれぞれのバックグラウンドを生かし、自分たちで資金調達もしています。大事なことは、自分の人生に対してオーナーシップを持っているかどうか。自分たちで舵取りをして、自分たちの人生を生きている。そういう人がこれからは求められるのと思います。

宮城「ポイントは、必ずしもリスキーな挑戦をする必要はないという事です。ハードルを高くしすぎないで、超えられる高さにカスタマイズする。東京で働きながら、パートタイムで地域に関わることからはじめてもいい。段階的に地方での仕事を増やしていけば、家族の理解も得られやすいと思います。」

和田「NCLでの起業は、今までの地域での起業とどんなところがちがいますか」

林「新しい場所で新しいことをするのは大変な事ですよね。そうした状況では、同じ価値観を持つ人が一緒にいることが大事だと思います。NCLでは専門領域がある人がそれぞれに協力し合ってチーム全体で活動しています。その活動を現地に繋ぐコーディネーターが皆さんに伴走してくれます。」

地方での新しいチャレンジについて、働き方、暮らし方、家族の在り方等、様々な観点から、ユニークな発言が多数飛び出しました。ここで、質疑応答の時間です。

参加者「南相馬では、自治体等とはどのように連携しているのでしょうか。」

和田「南相馬は行政の方が非常に協力的でとても助かっています。行政のルールにすべて従うというより、こちらに合わせて提案・行動してくれ、NCLとともに主体的に動いてくれる。南相馬の一つの特徴かなと思います。」

最後に登壇者3名から参加者の方々へメッセージをいただきました。

林「あらゆる人が、自分の人生にオーナーシップを持つために価値観を共有したコミュニティを設計することが重要。今日ここに来ている人はフロンティアを開拓していける人だと思います。皆さんと一緒に和田さんが走ってくれますので、ぜひチャレンジしてください。」

宮城「社会の前提が変わってきていることには、皆気づいているのだと思います。つくりたい未来があるのにそれを実現しようとしない、そのことがリスクです。今の起業は清水の舞台から飛び降りるようなものではありません。今出来ることからつくりたい未来のためにアクションしていただきたいと思います。」

和田「本日モデレーターを務めさせていただきましたが、実は今回が初めての経験でした。誰にでもはじめてがあります。地方に行って起業するというのは、皆さんにとって初めての経験だと思います。そのときに、NCLやFVCをぜひ活用していただきたいです。リスクが抑えられますし、1人でチャレンジするよりも、もっと大きな可能性を秘めています。今回の機会をぜひ活用してください。」

現地視察ツアーの紹介

現地ツアーの行程や目的について、半谷さんよりご紹介。行程はこちらをご確認ください。

交流会

プログラム終了後は、登壇者と参加者の交流会を開催しました。

宮城さんの乾杯のご挨拶から始まった交流会では、登壇者の方々と参加者の皆様が熱い議論を交わしていました。参加者同士の交流も活発に行われ、ツアーで会おうといった話もちらほら。同じ志を持つ方々が集まるミートアップは、起業を志す方々や地域課題に関心のある方々とネットワークを形成できる絶好の機会です!

ミートアップの様子はいかがでしたか?

福島での起業・就業やネクストコモンズラボ南相馬の活動に興味がある方はぜひ現地視察ツアーにご参加ください。現地の様子を実際に目で見ることができ、事業計画ブラッシュアップパートでは、FVC賛同人のシェアリングエコノミー協会佐別当さんや今回登壇いただいた小高ワーカーズベース和田さん、あすびと福島半谷さんのアドバイスを受けることができます。この機会をぜひご活用ください!

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