イベント開催レポート

2017.09.11

南相馬市・浪江町現地ツアー報告! 2017.8.26-2017.8.27

フロンティア・ベンチャー・コミュニティ(FVC)は、地域での起業を考えている方を対象に、特定のテーマのもと、現地の生活状況や先進事業の取り組み等を見聞きする視察ツアーを開催しています。ツアーには現地の課題解決に事業で挑んでいる現地起業家の方々、東京からFVC賛同人の方々等をお招きしており、ツアーを通じて、ご自身の創業アイデアの発見・発掘やアイデアの深化を目指して頂きます。

10/7(土)-8(日)には川内村・田村市で「地域資源を活用する」をテーマにしたツアーを開催します。また、9/19(火)にはこのツアーの説明やユーグレナ出雲社長の講演が聞けるミートアップを東京で実施します。

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さて、先月8/26-8/27の二日間には、南相馬市・浪江町で現地ツアーを開催しました!テーマは「社会起業」。社会・地域の課題を事業で解決したいというパワフルな方々にご参加頂きました!ここではそのツアーの一端を報告いたします。

1日目

請戸訪問

一日目は、被災地を体感する請戸視察から始まりました。南相馬市・浪江町の今を車窓から眺めながら、参加者の皆さんはあすびと福島半谷栄寿さんのガイドを聞きます。一面に田畑が広がる風景には、帰還困難区域に近づくほどに樹木や荒地が混在するようになりました。一行は請戸小学校跡地に到着。被害の爪痕が生々しく残る建物の周囲をめぐりながら、多くの参加者の方々がその姿を写真に収めていました。

請戸小学校跡地。時計の針は津波到達後に止まったまま動かない

「『すべてなくなった』と捉えるのではなく、『ゼロからやる』と捉えるポジティブな発想がフロンティア・ベンチャー・コミュニテイの精神です。」という半谷さんの言葉とともに、一同は請戸を後にします。

Jin・南相馬ラーニングセンター訪問

「浪江町を元気にするためには魅力的な仕事が必要」と、高水準の所得を確保できる花卉栽培モデルを確立した特定非営利活動法人Jinの川村博さんを訪問しました。「荒れ果てたふるさとでなく、私の学生時代のような美しい風景を取り戻すために農業をやることにしました。」ー地域への強い思いから、起業家として邁進してきた川村さんの熱意あるお話に、一同真剣に耳を傾けました。障害者の相談支援、花卉、野菜の栽培等、被災地の課題解決に必要と感じた事業を次々に起こしてきた川村さんには、花を育てるビニールハウスを巡るときであっても、参加者から積極的に質問が飛び交いました。

花卉を栽培するビニールハウスの前で。特定非営利活動法人Jin代表川村博さん(左)

その後、発達障害児のケアと保育園事業を運営するトイボックスのみなみそうまラーニングセンター・原町にこにこ保育園を、代表の白井智子さんと共に視察しました。「少子高齢化がいち早く進む南相馬は様々な課題の先進地です。しかし、長い待ち時間の末に診療は手早く済ませられてしまう都市部に比べて、一人一人の子どもたちをとても丁寧に見てくれるように、逆にプラスの面もあります」「今支援を受けている子どもたちは、将来必ず支援する側に回ってくれると思います。南相馬はそういうフロンティアだと信じています」白井さんの明るく力強い言葉は、フロンティア・ベンチャー・コミュニティの精神をまさに体現するものとして、印象的でした。

みなみそうまラーニングセンターにて。NPO法人トイボックス代表理事白井智子さん(左)

南相馬市役所訪問

一行は南相馬市役所を訪問し、田林信哉副市長から市の地域課題に関するプレゼンを、桜井勝延市長の講話をうかがいました。参加者は南相馬特有の地域課題を詳細にインプットするばかりでなく、「あらゆる手段を使い、この地域で人間が前を向けるように何をできるか考えています」と語る、桜井市長の覚悟に触れました。起業意欲を大いに刺激する時間となったようです。

あすびと福島訪問

一日目最後の行程では、あすびと福島を訪問しました。この施設でのメニューは、これまでのツアー体験の振り返り、半谷さんによるあすびと福島/南相馬復興アグリの事業説明、小高ワーカーズベース和田智行さんの事業プレゼンと盛りだくさんでした。

日が沈んだ頃、交流会を開始!半谷さん自らが振る舞うバーベキューに皆さん舌鼓を打ちながら、現地起業家との、また参加者同士での交流を深めました。英気を養い、二日目の事業アイデアを具体化する個人/グループワークに備えます。

南相馬アグリで栽培されたトマトを使用したバーベキュー。絶品でした。

二日目

小高区街歩き

和田さんの案内で、震災後に数々の新規事業が立ち上がった小高地区を歩きます。避難指示解除直後に営業を再開した「双葉屋旅館」では小林友子女将から再開に至る体験談を聞きました。他にも、地元住民の買い物の場と交流の場を兼ねた「東町エンガワ商店」、地域の女性が働きやすい職場を実現している「HARIOランプファクトリー小高」などを訪問し、地域ニーズを体感する街歩きとなりました。

双葉屋旅館前にて、小高ワーカーズベースの和田智行さん(左)

事業アイデア検討・発表

街歩きの後は、南相馬市で起業を支援する方々との小グループトークセッションを実施。ざっくばらんに小高地区における起業の課題や方向性について質問がなされていました。その後いよいよグループワーク・個人ワークに移り、現地の課題整理・事業アイデアブラッシュアップを実施しました。

ワークショップの中で、参加者のFVC賛同人・RCF代表理事の藤沢烈からは次のようなコメントがありました。「まず地域に関わることが重要です。都市型起業とは異なり、福島12市町村での起業においては、事業化レベルが浅い状態でもとにかく地域に関わり続けることが重要となります。ただ、一人で事業を起こすのは孤独で厳しいことですから、ぜひフロンティア・ベンチャー・コミュニティの場や人を活用してください。」

そして、いよいよ事業案の発表。現地の事業視察や課題整理を経て、高齢者をテクノロジーで繋ぐ事業、学生主体のまちづくり事業、馬を活用した観光事業など、独創的かつ地域課題に寄り添ったアイデアが次々と生まれました。和田さん、賛同人のグロービス経営大学院専任准教授の山中礼二さんからも「是非、これは実現したい」と言って頂ける事業アイデアの発表もありました。

最後に半谷さんから次のようなメッセージが。「事業を始めるときは『志』、つまり自分の原体験ややりたいことから出発する方がいいのです。なぜなら、自分のやりたいことであれば諦めないからです。諦めないことがソーシャルな事業への挑戦で大事なのです。社会性のみでは継続しないことがあります。その上に、私利私慾でなく社会的価値を志している状態、人を巻き込む仕組み、実績を出すことによる信頼、そして実績が出ても不遜にならず社会性を志し続ける誠実さが重なることで『人を巻き込む力』がつくられます。ここまで進むと、『人が巻き込まれたくなる』状態に至るのです。皆さんが志を持ち続けられるよう、フロンティア・ベンチャー・コミュニティはしっかりサポートしていきます。」

こうして二日間の行程が無事終了し、解散となりました。アンケートでは、現地の課題を把握する機会、そして自身の事業アイデアの可能性を探る機会としてツアーは高評価を頂きました。

この記事をお読みの方も、ぜひ起業への第一歩・地域に関わる第一歩としてFVC主催のイベントへご参加してみてはいかがでしょうか?9/19(火)には東京でフロンティア・ベンチャー・コミュニティの可能性を知ることができるミートアップを開催いたします。そして、10/7(土)-8(日)には川内村・田村市で「地域資源を活用する」をテーマにしたツアーを開催します。どちらも、皆様の奮ってのご参加をお待ちしております。

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